2012年10月29日月曜日

霧よ煙よ

開け放った窓に
風が聴こえず
いつも鳴いていた
犬、子、鷺、峰
ただ石が此処にある事の様に
さりげなくみんな居なくなって
立ちこめた煙は
ひょっとして、霧?

標高二百の部屋の中
さて、来春
何を飼おう?
巡らすだけの日
霧よ煙よ
あア耳よ
もっと さりげなく
やや  ぎこちなく
音を聴かせて欲しいのだ
気付いたら あら? 湿って
そんな風に 触って

揺らしてくれてありがとう、勝手に
点が点に見えなくなって
立ちこめた煙は、
ひょっとして霧?

あや、もったいない
ジュッと吸い込む

2012年10月26日金曜日

水(改訂版)

水を一杯
いかかでしょう
無色透明 無味無臭の
それ
ややこしい俺の
便、し尿、焦燥、嫉妬、猜疑心。
虚栄、慢心、諦念、臭夢。
それらをくるり 布で包んで
ぎゅっ ぎゅっ
絞って濾して出した水
無色透明、無味無臭

例えば、詩
それはまるで水の様
濾過された感情が
例えば、詩
それはまるで水の様
恰も美しいかの様に

水を一杯
いかがでしょう